近代哲学 - 観念論から実存主義へ

近代哲学は、19世紀を中心に展開された多様な哲学的潮流を包括する。カント以後のドイツ観念論は、フィヒテ、シェリングを経てヘーゲルにおいて頂点に達した。ヘーゲルは弁証法的方法によって精神の自己展開の過程として歴史と現実の全体を体系化した。

ヘーゲル哲学に対する反動として、マルクスは弁証法を唯物論的に転倒させ、経済的下部構造が社会・文化・思想を規定するという唯物史観を提唱した。一方、キェルケゴールはヘーゲルの体系的哲学を批判し、個人の実存における不安・選択・信仰の問題を追究して実存主義の先駆となった。ショーペンハウアーは意志の形而上学を展開し、ニーチェは「神は死んだ」と宣言してキリスト教道徳と伝統的形而上学の根底的な価値転換を試みた。これら19世紀の哲学的潮流は、20世紀の現代思想に多大な影響を及ぼしている。